映画【犬王】は、最高に楽しめる能楽ロックフェスだった!
Last Updated on 2022年7月12日 by Chippy
アニメ「平家物語」が本当に素晴らしかったので、制作スタッフが同じ「犬王」を劇場まで観に行ってきました!最高に楽しかったです!
「平家物語」のアニメ感想はこちら:アニメ【平家物語】で、 栄華を誇った平家の生き様を見届けよう
今回は、平家物語を見終わったテンションの私が犬王を観てきた感想を書いていきます。
最後まで見届けたぜ!
目次
映画「犬王」について
世阿弥の名前は知っていたけど、犬王って誰?知らない…
私のような人も多いのではないでしょうか。犬王は実在した人物で、世阿弥と同時代に生きた、人気の能楽師なんだそう。
「犬王」の簡単なあらすじ
ときは、壇ノ浦の戦いから200年ほど経った室町時代。
「比叡座」の棟梁の息子として生まれるが、異形の姿をしていたために父から疎まれ、稽古をつけてもらえなかった犬王。
幼い頃に三種の神器の一つである『草薙の剣』を目にしたために、平家の呪いで盲目となってしまった琵琶法師・友魚(あるいは友一 / 友有)。
時代を生き抜く二人の友情と、熱すぎるセッションを描いたミュージカルアニメーションです。
- 監督
- 湯浅政明
- 脚本
- 野木亜紀
- 原作
- 古川日出男「平家物語 犬王の巻」
- キャラクター原案
- 松本大洋
- 音楽
- 大友良英
- アニメーション制作
- サイエンスSARU
「犬王」の原作はこれから読みたい!!
最高にロックだった「犬王」のサントラ
アニメ「平家物語」とは別物だけど、根底に流れるものは同じ
アニメの「平家物語」は、壇ノ浦の戦いと徳子のその後が描かれて終わりを迎えます。
映画の「犬王」は、その壇ノ浦の戦い・平家の滅亡を踏まえて始まる物語でもあるので、先にアニメを見ていたことによって、そのまま犬王の世界観がすんなりと頭に入ってきました。
先にアニメの「平家物語」を見てから、映画の「犬王」を観た方がより楽しめると思います
もちろん、映画「犬王」単独で見ても楽しめる内容だと感じましたよ!
どちらも平家を追悼する想いが、物語に流れています。
「犬王」はミュージカルというかロックフェスなので、純粋に能楽に詳しい方にとっては、色々ツッコミたくなるかもしれないですね。
私は最高に盛り上がれました!
映画「犬王」はこんな人にお勧め
- アニメ「平家物語」が好きな人
- アヴちゃん、森山未來さんのファン
- 琵琶の音色が好き
- 最近ライブに行ってない!フェスに行きたい!!
- ロックが好き
- バディ・友情もののストーリーが好き
- なんだかむしゃくしゃするので、映画を見て盛り上がりたい
平家物語にそんなに興味がなくても、ロックが好きな人にはお勧めですね
「平家って人気あるんだな…」と思った
現代でもこうやって平家物語を題材に、アニメや映画が作られたりしているのと同じように当時、「平家物語」というお話が作られて、能楽もあったわけですよね。
なんかそれってすごいことだな
それだけ、平家の知名度だったりとか人気が高いんだなと思いました。
まさか平家の人たちも、いまだに自分たちの生き方がこうやって語りつがれたり誰かの心を動かしたりしているなんて、思いもよらないのではないでしょうか。
「犬王」の魅力1|キャラクターの個性が極まり、磨かれていく
私は森山未來さんのダンスを観に行くくらいのファンなんですけど、犬王役・アヴちゃんと友魚役・森山未來さんのキャストがどハマりしていて、その化学反応が凄かったですね。
アヴちゃんは「犬王」ではじめて知ったのですが、あの神秘的で爆発力のある魅力が、すごく良かったです。
活動されている、女王蜂の曲も聴き始めています
犬王も友魚もそれぞれに魅力的なキャラクターなのですが、二人が出会ってバディを組むことで、お互いの可能性がどんどん引き出されていくというか…。
途中せつない気持ちになることもありますが、私は最後にはすごい壮快感がありました。個人的に好きな締めくくり方です。
犬王のパフォーマンスが凄い
犬王は、唯一無二の魅力を持ったキャラクターです。その身体からどんなパフォーマンスが繰り出されるのか、聴衆や私たちはワクワクしながら、ただその場に酔いしれるのでした。
呪いが解けていくたびに、解き放たれていく本来の姿が逆に不思議な感覚でした。どの姿も犬王の心はきっと変わらず、いつもとってもかっこよかった!どの演目も素晴らしかったです。
かっこいい曲もディーバのような歌も変幻自在で、見惚れて、聞き惚れていました。
私も現場に参加して、キャーキャー叫びたい(笑)
室町時代の背景や平家の物語を知っていた方がより演目も理解できると思うので、平家の時代をチェックするか、アニメの「平家物語」は上手くまとまっているので、見てから映画「犬王」に進む方がお勧めです。
また、犬王のパフォーマンスを支えるのが「比叡座」のスタッフ・演者の皆さんたち。舞台演出のクオリティーが高すぎました!最高だった!!
盲目の琵琶法師なのに、ドラァグクイーン?!友魚のスタイル
平家の呪いを受けてしまい、盲目となった友魚。兄弟子となる谷一に琵琶を教わり、犬王と運命の出会いをしたことで、友魚は自分の生きる道を見出します。
森山未來さんは、役作りのために実際に琵琶を習ったそうですね。お二人とも、歌声も演技も素晴らしかったです。
いやあ、ロックでしたねぇ…
友魚はとても一途な生き方で、いつまでも楽しく犬王とセッションしていてほしいです。
自分のスタイルを貫くことが、今よりずっとずっと難しかった時代に、友と自分を信じ、突き進む演奏や歌が心に刺さりました。迫力、真に迫る気迫がすごい!
それまでは煽り役のような(それでもかっこいい)パフォーマンスでしたが、「竜中将」ではついに友有が犬王と同じステージに立てるので、見ている方としても嬉しかったです!二人をもっと観ていたかった…。
心地よさが凄かった!生のステージを観たい!!!!!!!!!
一番好きなシーンは、出会いと最後のシーンですね。ワクワクします!
兄弟子・谷一の優しさに泣いた
谷一さんんんんんんんああああああああ
谷一さんの、友魚への寄り添い方・見守り方ってもう本当涙なしでは見られないというか、思い出しても涙が出てきます。
仲間からも慕われてたのが伝わってきますし、友魚のことを心配しつつ出しゃばらないでずっと見守っていたのがもう、もうね…。
主役の二人だけじゃなく、谷一さんの存在って大きかったです。
「犬王」の魅力2|想像以上にロックフェスを楽しめる!
私は能楽といえば、今の形式のものしか知らなくてそういうものだと思っていたんです。でも、「犬王」はめちゃくちゃかっこいいロックでした!
あーーー、ライブ行って声出したいなぁ!
という気持ちに、しみじみかられましたね。コロナになって3年くらい、ライブで!声を!出してないじゃないですか〜。
画面の聴衆たちがすっごく楽しそうで、羨ましかったですね。
演出がめちゃくちゃ良かった
YouTubeの動画で、ほんの少しだけそのパフォーマンスを垣間見ることができます。
犬王のパフォーマンスを支えるのが「比叡座」のスタッフ・演者の皆さんたち。舞台演出のクオリティーが高すぎました!最高だった!!
ぜひ、劇場の大画面と音響で体感してほしいです!
「犬王」の魅力3|ストーリーは『呪い』がキーポイント
映画「犬王」は友魚が『草薙の剣』を目にしたことによる平家の呪いから始まり、犬王も呪いを受けた身体で、呪いが物語の中で重要なファクターとなっています。
呪術廻戦の人気もあって、最近、呪いものって流行っている気がしますね
ファンタジックでもあるのですが、犬王が平家の怨霊の話を聞くシーンや歌い踊ることによって呪いが解放されていく様は祝福を受けているようで、祭りは慰霊のためにも存在しているのだなと思いました。
冒頭で不穏だった事件が、終盤でその伏線が解かれ全容が見えたとき、そういうことだったのか!と合点がいって面白かったです。
犬王の父の熱演も、終始鬼気迫るもので良かった。声優の津田健次郎さん、凄みがありました。
「犬王」を観て、今後の楽しみが増えました!
「犬王」を観たことで少し世界が広がって、スタンダードな「能楽」だったり、世阿弥のことをもっと調べたりしたくなりました。
まずは原作本を読んで、いつか現実世界での犬王公演を観ることが出来たらいいな
今後の展開にも期待してしまう「犬王」なのでした。まだの人もぜひ!見届けようぜ!!
アニメ「平家物語」が気になる方はこちら!感想を書いています
感想記事:アニメ【平家物語】で、 栄華を誇った平家の生き様を見届けよう
映画「犬王」を観に行く前に!必見のアニメです
無念の想いで散っていった平家の者たちを描いたアニメですが、美しい季節の情景とともにいきいきとキャラクターが息づいていて、とてもお勧めです。